未来絵図 ー二人で歩むこれからー 
「こんなとこあるんだ。」

 しおりが興味深くパンフレットを見ている。2階立てのコテージは、1階がリビングダイニング、キッチンに内風呂に、露天風呂。2階には、大部屋が2つと言う感じだった。

「8月の最終だけど、クラゲは出ないみたいだから、海にも入れるし、土曜日は花火大会もあるからそれも予定に入れたら結構、楽しそうな旅行になるよ!」

「智也くんは、いっつも早く計画立ててくれるよね!あっ私、このガラス珠作りしたい!」

 パンフレットの備考欄に書いてある体験に気になるのを見つけ、楽しそうに話す奈々子にみんな注目する。"智也くん"はっきりとそう呼んだ。奈々子は、みんなに注目される理由が分からず、"んっ!?"と皆をみるがすぐに目はパンフレットに戻る。

「いつもって。同期のみんなでですか?」

しおりが奈々子に訊ねる。

「そうだね。たまに、人数増えるけど、電車の旅、結構したよ!」

「今回は車出すわ!車の方が便利だから。」

「松本さん、車、大きいんですか?」

「ん。一応8人乗りのファミリーカー。」

 みんな乗れるじゃないかと澄まし顔の智也に対し、運転しながら助手席に座る奈々子とイチャイチャするのを後部座席から見るのかと思うと腹が立ち、隼は、イタズラを仕掛ける。

「ふたりっきりの旅行じゃないんですから、奈々子さんが可愛くても、どこでも盛って嫌われないようにしてくださいね!二泊三日だから、二箱とかありえませんから!」

「みんなの旅行なんだから、そんな盛るかよ!あわよくばは狙ってるけど。」

 隼の攻撃に、智也はしらっと対決意欲を表したため、しおりは隼の援護をかってでる。

「二箱ってことは、こないだの旅行、一泊で一箱いったんですか?高校生並ですね、松本さん。」

「俺もだけど、応えてくれる奈々子も、そうとうだからな。」

 奈々子は、はっとし何の話をしてるか分かると、真っ赤になっていく。確かに、もうダメとかいいながらも求められたら応えてしまう。だから立て続けに求めら、五回辺りからもう何も考えられなかったけど。と、考えてしまう。

「奈々子さん真っ赤ですよ。」

 しおりに言われ、さらに真っ赤になり、旅行の話と、智也高校生疑惑で、食事会の時間は流れていった。
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