未来絵図 ー二人で歩むこれからー
夏の想い出
結局、まりかは奈々子に言いたいことだけ言って、地元に帰り、何のためにここに来たのかは分からず、智也も奈々子もまりかに対して不信感を募らせた。
瑞希にふたりで、お礼を言いに行き、奈々子は、コンテストの仕上げにかかる。
旅行前日に、ブライダルフェアの会場となるホールの1箇所に三人のパネルが展示される。フェアの担当者が設置するため、お互いのパネルを見ることなく、翌日、旅行へと出発する。
智也の運転する車の助手席に奈々子が乗り、待ち合わ場所まで行くと、すごいハイテンションな新司が手を振っていた。
「めっちゃ楽しみにしてたんっすよ~!旅行!」
車に乗り込みながら、満面の笑みをやよいに向かって振り撒く。一列目に智也と奈々子。二列目に新司と隼。3列目にしおり、やよい、瑞希の順で並んでいるが、余りにも新司がやよいに話しかけるたびに後ろを振り返るため、隼は苦笑い。
「牧田、そんなに話したいなら席変わろうか?」
「いっ?嫌々…このままで、お願いします!」
真っ赤になり否定する新司に真っ赤になりうつ向くやよい達をからかいながら智也の走らせた車は、目的地についた。
近くにいる管理人さんに説明を受けてコテージにつくと、荷物を運び込み、みんなでダイニングに集まる
「めっちゃすごいっすね!海すぐそこ!温泉、露天風呂最高っす!」
「ちょっとまっきーはしゃぎすぎ!やだ、浴衣がある!土曜日は浴衣決定ね!」
ハイテンションな新司としおりに比べて、他のみんなは落ち着いている。二階の部屋をみていた隼は、"おっ屋根裏発見!禁煙室にしよ!"と、屋根裏部屋に早速上がっていく。
「広い方が女子部屋だよね?今日は、海辺でバーベキューだよね?みんな水着着替えよう!」
「瑞希ちゃん、もう水着?」
さっそくと言う感じの瑞希の号令に弥生は驚く。
「もう、2泊3日。やることたくさんよ!夏を謳歌しないと!冬になっちゃう!」
意味不明なことを言いながら、"さっみんな早く!"と促し、みんなも、それに従う羽目になる。