未来絵図 ー二人で歩むこれからー 
 この日、勝負をかける弥生に誘われ、四人で新しい水着を購入した。しおりの発案でみんな色ちがいの物にすることになったが、サイズも色もたくさんあるのは1つしかなかった。絶対ビキニ!と言い張るしおりと瑞希に、恥らう弥生、絶句する奈々子。結局、"頑張ってみようかなぁ。"と弥生がOKサインを出したことで、この水着になったわけだが。

「せめて上着!着させてよ!」

「駄目です!奈々子さん!」

「お披露目したらきていいからさ。奈々子ちゃん。」

「私も頑張ったし、ね?」

 上着を!と訴える奈々子をずるずると引きずりながら、四人でリビングに降りていく。目ざとく見つけた新司が、弥生を見て頬を赤らめる。

「みんな、お揃いなんっすね!」

 四人の格好をみて、直ぐ様そんなことを言うと、その言葉に智也と隼が反応する。

 上下の柄が別々のタイプの水着。上はカラー1色のセクシーな胸元がざっくりと開いていてバックはリボンスタイル。下は花柄入のサイドに紐がついてるビキニだ。弥生の上は、黒。しおりの上はビタミンイエロー。瑞希は、白。下はみんな統一した、黒の花柄だ。

「えっ!みんなお揃い?」

「ちょっと待って?俺、ビキニなんて聞いてないぞ?」

 二人からは奈々子が見えてないみたいだが、新司からは見えているようで、

「奈々子さんは赤なんですね?松本さん絶対怒りますよ?隼さんは彼氏じゃないのに見られてラッキーですね!」

そんな話をしながらこちらに歩いて来て、"さぁみんな行きましょうか!"と、弥生の手を引いて海辺に向かう。そのあとを瑞希としおりは着いていき、智也と隼にすれ違うとき"松っん怒らないでね?"とニヤニヤしながら去っていった。

 取り残された3人に気まずい空気が流れる。

「奈々子、こっち向いて?」

 智也に言われ奈々子が振り向くと、とたんに智也と隼は真っ赤になる。みんなより胸が大きいため、谷間が凄く強調され、色っぽいを通り越して、グラビアアイドルのようで、二人ともいけないものをみた感じになる。

「奈々子さん、エロいね!でも、かわいい~。」

 その言葉にムッとした智也は、奈々子の手を引いて二階に連れていく。"着替えて!"と言う智也に、奈々子は"ウンウン"と頷いた。その様子を苦笑いでみていた隼は、

「すぐ、戻ってきてくださいね、松本さん。まっ無理でしょうけど。」

と、言いながらコテージを後にした。 
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