未来絵図 ー二人で歩むこれからー 

 奈々子と智也はみんなから祝福をされ、たくさんお酒を飲まされいい気分になり、部屋につくとベットになだれ込んだ。

 かなりいい気分な智也は、人目を憚らず、会場内でもずっ奈々子を離さず、後ろから抱きついては肩に顔をのせたりと甘え、社長にからかわれた。

 足取りはしっかりしているから、部屋まで奈々子が運ぶ必要はなかったが、それでも、"ネクタイ外して。""上着脱がして。"と甘えてくる。かと、思えば奈々子のコートを脱がして髪をまとめていたものを外してきたりする。
 
 ふいに、抱きしめられ、耳元で呟かれた。

「俺と幸せになる未来が、奈々子に見えるといいな。」

 奈々子は抱きしめられながら答える。

「あなたと幸せになる自分が、描くように分かるんだ。」

 二人はさらに強く抱きしめあい、これからの未来について話し合った。

 どんな結婚式にしたいか、どんな家庭にしたいか、どんな家にしたいか、夢は膨らむばかりだ。

 それでも話は尽きることはなかった。

 その後の、二人は大忙しだった。奈々子は高校の友人に智也を紹介したり、智也と一緒に智也の実家に挨拶に行き、4月のプレオープンの後に行う自分達の結婚式の準備をした。

 結婚すると聞くと、オーナーは、ワイン畑の敷地内に、二人が住む家を作ってくれ、二人は喜んでそこに引っ越した。

 結婚式のプランはプランナーの隼と話し合い順調に進み、フラワーデザインはしおりと新司にお願いした。

 4月の雲ひとつない晴れ渡る日。

 ゲストハウスA'Zにて、松本家、高木家の結婚式が執り行われた。

 奈々子と智也は、二人で手を取り合い未来に続く道のりの最初の1歩を踏み出した。

 付き合って半年、片想い期間がながい二人の恋愛だが、未来はもっと永い。

 二人で描く『未来絵図』は、きっと幸せに未知溢れているはず。
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