未来絵図 ー二人で歩むこれからー
それから、10日かたった後、奈々子は、店頭にいる際、誰かに見られている感覚がするようになる。
ふと、あたりをキョロキョロする奈々子にチーフが不思議そうに声をかける。
「どうした?」
「ん。気のせいだと思うんですけど。なんか、視線感じるんですよね。」
チーフも辺りを見渡し、
「仮装するようになって、奈々子目当て増えたもんね。1人じゃ危険だね。」
サブチーフも、話しに加わる。
「おつかいは、私が行くから、奈々子ちゃんは、1人には絶対ならないで。」
二人にそう心配されるのには、理由があった。
10時から7時までの営業時間。学生にナンパされたり、サラリーマンに絡まれたり、注文を聞きに行くと"君はいくら?"とからかわれたり。わざと、座って作業している奈々子に、バケツをひっくり返し、上着を脱がせようとしたりと、よくないことが頻繁にあったのだ。
「ありがとうございます。気をつけます。」
奈々子は、頭をさげた。
彼氏に相談をした際、"気のせいじゃない?" "自意識過剰なんじゃない?"と、言われたため中々相談が出来なかったが、先輩たちは、すぐに、1人は危険と対応してくれた。
それは、同期の3人も一緒で、誰かが一緒にいてくれるようになった。
先輩に"彼氏に送り迎えしてもらったら"と言われ、彼氏に、何度か話すが、"仕事が忙しい"と言われ相手にされなかった。
その際、送り迎えをするよって言ってくれたのが、智也だった。
この時すでに、彼氏より智也といることに安心感を抱くように奈々子はなっていた。