未来絵図 ー二人で歩むこれからー
午後4時半。会議室のドアをあける。
「遅くなり申し訳ありません。」
そう、挨拶しながら空いてる席に座る奈々子に、新司は続く。
「時間も守れないのかね。」
「打ち合わせがあると伝えておりましたが。」
「1時間の予定で、打ち合わせはするものだ。それを2時間かかるとは、チーフとしてどうかね。まぁ若いチーフだから、仕方ないか。」
と、偉そうに上座でふんぞり返っているのは、総支配人、北山だ。
周りからは、"また、始まったよ。""高木さんかわいそう。毎度毎度よくやるよ。""今日は社長不在だし、松本チーフも早番でいないから。いつもより、さらに、偉そう!"と、ヒソヒソ話が、新司にも、聞こえてくる。
「社長からくれぐれもよろしくと言われておりましたので。」
「社長、社長言えばいいと思って。」
「事実ですし。それに、緊急臨時運営会議と聞いてきましたが、松本チーフの姿と、社長の姿が見えないのはなぜでしょうか?」
北山は、"ふん。"と、こちらを見ようとしない。
「社長と松本チーフが不在なの知ってましたよね?」
と、さらに訴えても知らんぷりされる。そんな様子をみんなにはらはらと見ている。
新司は、毅然した態度の奈々子を横目で見ていた。