未来絵図 ー二人で歩むこれからー
温泉でのぼせるくらい求めあった二人は、布団の中で、素肌で触れあいながら、余韻に浸っていた。温泉の独特な雰囲気に、ここ1ヶ月程の遠距離、ゆきや支配人の仕打ちを乗り切ったふたりは、我も忘れて求め合った。
「奈々子、ごめん。」
「えっ?」
不意に、放たれた謝罪の言葉に奈々子は、意味が分からず智也に視線を向ける。
「さっき避妊しなかった。」
「…あっ。」
奈々子は迂闊にも、言われるまで気がつかなかったのだ。気がつかないくらい、気にならないくらい、智也を求めてしまった。
「わたしも、迂闊だった。余裕なくて、駄目だね。」
「俺が悪いよ。…でも、俺は中途半端な気持ちじゃないよ。ずっと一緒にいたい。」
「うん、ありがとう。」
「必ず、ちゃんとプロポーズするから。これからは気をつける。」
「…うん。大切にしてくれてありがとう。」
奈々子は、こんな風に避妊を気にかけてくれることが、凄く大切にされてるようで嬉しかった。真摯な態度に改めて、付き合った相手が彼で良かったと改めた考えることが出来た。
「奈々子、携帯光ってるよ。」
「あっ。本当、誰かな?」
奈々子は布団から抜け出し、そばにあった浴衣を羽織、旅行鞄の上に置いてある携帯をみた。LINEが新司から来ていた。
ーこんばんは!旅行楽しんでますよね?
まじ、先に進めて良かったっすね!
えっと、やよいさんって彼氏いるんっすか?ー
奈々子は、ふふふっと笑った。後ろに智也の気配を感じ、"やよいさん、旨くいきそう。"とLINEを見せると、"さっ、計画たてなきゃね。"とふたりで笑う。
「こっちには瑞希さんから。奈々子ちゃんの勝負下着何色だった?ってきたけど。」
「んっ!?えっと。」
「そろそろ、火照りも冷めてきたし。可愛い下着着た奈々子から誘惑されたいな。」
甘くささやくれ、奈々子は、今回用意した、ラベンダー色のベビードールとピンクの下着で、智也を誘惑する羽目になったのは言うまでもない。