未来絵図 ー二人で歩むこれからー
戻る人、去る人、残る人
3日の休暇は、温泉宿に1泊・智也の部屋に1泊・奈々子の部屋から今日は、一緒に同伴出勤。
奈々子はいつも仕事の時は髪を結んで気合いを入れるのだが、智也に首筋につけられた"しるし"のせいで、髪の毛を下ろし、前髪をちょこんと、ボンパドールにして気合いを入れる羽目になった。
ロッカーの前で別れた、社長にお礼とお土産を渡すため、再度、ロッカー室に行く打ち合わせをしていたため、いつもより早めに出勤し、只今7時半。通常出勤のふたりには一時間早い時間だった。
ロッカーには、瑞希が泊まり勤務から帰るとこで、着替えをしていた。
「おはようございます。瑞希さん。お疲れ様です。」
「おはよう、奈々子ちゃん。…はぁ。」
いつも明るい声が返ってくる瑞希からは、何故かため息混じりな返事。
「聞いてよ!」
「瑞希さんどうしたんですか?顔が死んでますよ?」
ガシッと肩を掴まれ、この世の終わりみたいな顔をする瑞希。
「何かあったんですか?」
「あったってもんじゃないよ!奴が戻ってくるのよ!」
「んっ?奴?…だれ?」
「浩輔が戻ってくんのよ!」
「えっ!篠原さんが?」
篠原浩輔とは、オーストラリアにあるリゾートホテルA'Zのコンシェルジュを勤めるエリート男子。奈々子たちにとっては5期の先輩に当たる。奈々子達が入った翌年にオーストラリアに異動していった。入社式で表彰されたことで、瑞希が一目惚れし、猛アタックの末に付き合ったが、海外赴任とともに別れたたも、それ以来話題に上がることはなかった。何故別れたのかは、瑞希が話したがらないから同期のみんなは聞かないでいた。その篠原浩輔が戻ってくるのはもしかして奈々子は思っていた。
「休んでる間に何かあったの?」
「辞令が貼り出されたのよ!」
「辞令って。」
「だから、ここの総支配人に篠原浩輔って書いてあったの!もう!ごめん。奈々子ちゃん!私、早く帰ってねるわ!」
急いで荷物をまとめ、風のようにさって行く後ろ姿を眺め、ロッカーを出ると、壁に持たれた智也が待っていた。
奈々子はいつも仕事の時は髪を結んで気合いを入れるのだが、智也に首筋につけられた"しるし"のせいで、髪の毛を下ろし、前髪をちょこんと、ボンパドールにして気合いを入れる羽目になった。
ロッカーの前で別れた、社長にお礼とお土産を渡すため、再度、ロッカー室に行く打ち合わせをしていたため、いつもより早めに出勤し、只今7時半。通常出勤のふたりには一時間早い時間だった。
ロッカーには、瑞希が泊まり勤務から帰るとこで、着替えをしていた。
「おはようございます。瑞希さん。お疲れ様です。」
「おはよう、奈々子ちゃん。…はぁ。」
いつも明るい声が返ってくる瑞希からは、何故かため息混じりな返事。
「聞いてよ!」
「瑞希さんどうしたんですか?顔が死んでますよ?」
ガシッと肩を掴まれ、この世の終わりみたいな顔をする瑞希。
「何かあったんですか?」
「あったってもんじゃないよ!奴が戻ってくるのよ!」
「んっ?奴?…だれ?」
「浩輔が戻ってくんのよ!」
「えっ!篠原さんが?」
篠原浩輔とは、オーストラリアにあるリゾートホテルA'Zのコンシェルジュを勤めるエリート男子。奈々子たちにとっては5期の先輩に当たる。奈々子達が入った翌年にオーストラリアに異動していった。入社式で表彰されたことで、瑞希が一目惚れし、猛アタックの末に付き合ったが、海外赴任とともに別れたたも、それ以来話題に上がることはなかった。何故別れたのかは、瑞希が話したがらないから同期のみんなは聞かないでいた。その篠原浩輔が戻ってくるのはもしかして奈々子は思っていた。
「休んでる間に何かあったの?」
「辞令が貼り出されたのよ!」
「辞令って。」
「だから、ここの総支配人に篠原浩輔って書いてあったの!もう!ごめん。奈々子ちゃん!私、早く帰ってねるわ!」
急いで荷物をまとめ、風のようにさって行く後ろ姿を眺め、ロッカーを出ると、壁に持たれた智也が待っていた。