未来絵図 ｰ二人で歩むこれからｰ

「ここで問題なのは、私と二人の経験の差。」

「確かに奈々子さんと二人じゃ、経験が違いすぎる。」

　隼が奈々子の言葉に同調する。

「展示するのは、８月の最終土日なんだけど。私は第３週までゲストハウスのグラフィックも見ないし、やよいさん、瑞希さんのドレスも選ばないことにする！」

「えっ！！」

　みんなが声をだす。まだ、６月中旬。奈々子以外の二人は、２ヶ月間の猶予があるのに対して奈々子は１週間しかない。テーマが３つもありドレスのフラワーデザインもあるのに、出来るのだろうか。みんなそんな気持ちであった。

「二人はプロデュースするの、ほぼ、初めてでしょ。だから、勤務時間を使用してもらって構わないからたっぷりかけて、良いものを作って！私は、インスピレーションには長けてる自信があるんだけど、１週間は時間が欲しい。」

「わかりました。みんなにチャンスがあるんですね？松本さんはもう、内示出てますけど、ついていけなくなっても構わないんですね？」

　しおりは、この勝負受けてたつ宣言とも言える言葉を奈々子に投げ掛ける。

「奈々子さん、俺、勝負好きなんっすよ！頑張るっす！」

　新司は、ガッツポーズを、とりながらめゃくちゃ笑顔だ。

「テーマは、クール＆モダン・エレガント＆スイート・和の３つ。ドレスはその人に似合う１着。」

　フムフムと頷く二人の姿を隼は見ながら、"奈々子さんは、いつも面白いこと考えるね。"と呟く。

「で、ここから重大発表で。」

と、８月の最終金曜から、２泊３日で旅行に行く話を伝えると、メンバーを聞いた、３人からは３通りの雰囲気が流れ出す。新司は、"えっ、やよいさんも？"と薄ピンク色が。隼からは、"まじかよ。"と、なんとも言えない負のオーラが。しおりからは、"あららっ。楽しそう。"と賑やかなオーラが出ていた。