未来絵図 ー二人で歩むこれからー
「おはようございます。」
奈々子が挨拶しながら店内に入ると、待ってましたと言わんばかりに奈々子の周りにみんなが、集まってくる。
「旅行楽しかったですか?ずーとラブラブしてたようですね?」
目敏くしおりに下ろしてる髪の毛を持ち上げられ、智也のつけた印を見つけられ、からかわれた。
「いいっすね。ラブラブ!俺も出来るといいんっすけど。」
新司は、うらやましいと言われたが、そこには、珍しく不機嫌で王子様スマイル、オーラさえもない隼に出迎えられた。
「ラブラブなのは分かってんだよ。うるせーよ。ふたりとも。」
奈々子は、"どうしたの?"としおりと新司にひっそりと聞く。
「隼さんは、ジェラシーっすよ。松本さんに!」
「うるせーよ。牧田!」
「こんなキスマークみせられたら、さすがに、王子スマイル出せないよね?」
「黙れ!宮崎!」
奈々子はよく分からず首をひねるが、キスマークと言われ、両手で首筋をかくした。それを切なげに見ている隼と目が会うがすぐにそらされ、"仕事始まったら、大丈夫ですから"と言われ、リボンをカットし始めた。
「昨日、3人で飲みいったんっすよ。」
と、こそっと教えてくれだがよくわからないまま、奈々子は朝礼を始める。
「朝礼始めます。昨日、辞令が出ました。そこで、未だ空白のフラワーデザイナーの件で今日、社長に話してみたんだけど。今度のブライダルフェアーと雑誌で投票数の多い人が行くことになりました。」
「投票ですか?」
しおりがすかさず声をだす。
「テーマに沿ってデザインしたのをゲストハウスのグラフィックと合わせて3点、フェアの時にパネル展示。そして、白とカラードレスのフラワーアレンジも写真で展示して、お客様と雑誌の講読者にノベルティ付きの投票をしてもらうの!白ドレスはやよいさん、カラードレスは瑞希さんにモデルになってもらうよう、すでに、了承済み。」
3人は、静かに話をきいている。