イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
自分ちに帰るのが、こんなにドキドキするなんて初めての経験だ。
なんたって、男の人を連れ立っているんだもの。
「お邪魔します。」
玄関でスニーカーを脱いだ鈴木さんは、なぜか裸足だった。
「どうぞ…。あ、お風呂溜めます?」
「いや、シャワーだけ貸してもらえれば…」
私はザバザバの鈴木さんを、お風呂場に案内した。
「こっちです」
「結構広い部屋だね。後学のために聞いときたいんだけど、こちらにはお一人で?」
鈴木さんは不躾にならない程度にキョロキョロと控えめに、部屋を見渡した。
「後学のためにはならないと思いますが、そうです。ここ、入社したとき会社に斡旋されて同期とシェアしてたんです。まぁ彼女は結婚して、出て行っちゃったんですけどね」
「なるほど。借上げかな」
「広すぎるけど、会社が近くて便利なんでなかなか引っ越せなくて」
「ふーん」
気のない返事をした鈴木さんは、おもむろに生成りのシャツを脱いだ。
「女の子一人の部屋にしちゃあ、酒臭くないですか?」
くんくんと、鼻を利かせて天井を仰ぐ。
「…昨日ちょっと、酔い潰れてしまいまして…。今朝は二日酔いが酷かったので、昨夜の名残が若干残っているのかと…」
「道理で。朝寝坊して慌てて出勤してたわけか。」
「そういう鈴木さんは、なんだか甘い臭いがしますね。あ、脱いだシャツ、洗濯したいとこなんですけど時間が掛かっちゃうのでアイロン掛けときましょうか?生乾きに仕上がっちゃうかもしれませんが」
鈴木さんの体は、チョコレートでできているのかもしれない。と、思った。だから栄養が偏ってあんなにひ弱なんだ、きっと。
「だったら、せっかくだし。僕のこと、味見してみる?」