イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
シャツを手渡された私は、「へ?」間の抜けた声で言う。


「僕が、慰めてあげようか?」


存外がっしりとした胸板と肩が、おでこに触れそうなくらい接近してくる。
濡れたTシャツが透けていて、私は自分の想像が外れていたことに驚く。

ちょうど目の高さの肩がぶつかりそうになり、はっとした。


「…っ結構です!」


肩を思いっきり押し返す。
強制的に一歩後退した鈴木さんの前髪から、一滴の水が高めの鼻先に滴った。


「拒否られるほど、奪いたくなっちゃうなあ。」


そう言った低い声は、洗面所が狭いせいか耳元で囁かれたかのように錯覚して。
見つめ合ったまま、ふっと口角を釣り上げて笑うから、不覚にもドキッとした。


「か、からかうのもいい加減にしてください!」
「なんだろう…、さっきから君に虐げられると疼くんです。僕目覚めちゃったかな」
「なににですか変な単語使わないでください!それにさっきは甘いって言いましたけど、今は噴水のせいかちょっと生臭いです」
「男はそれくらいの方がエロくてよくないですか。」
「よくないですかって…。意味がわかりませんっ!」


私はまだ服を脱ぎ終わっていない鈴木さんの体を、浴室に押し込めた。
非難する声が扉越しに聞こえたが、無視してリビングに戻る。
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