イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
タオルで髪を拭く鈴木さんは、ぶるっと身震いをした。

事故とはいえ私がエルボーを食らわせたせいで、風邪を引かせてしまった。この時季、しかも就業後に会社で暖房なんて効いてないだろう。
それに私は、シェアには慣れてる。鈴木さんのことも一週間だけ、同期だと思えば…力になれるかもしれない。

頭の中でそんなことをぐるぐるぐるぐる考えて、私は鈴木さんを見た。

“社内で屈指のイケメン。モデル並の容姿。”が、鼻の先を真っ赤にしている。


「空いてる部屋、使いま」
「助かるよ!!」
「私、まだ最後まで言ってないんですけど…」


私はチェストの上にある、まだ新しいティッシュの箱を手渡した。


「ありがと、辰巳奏さん。このご恩は体で返すよ」
「はい!?」


声が裏返った。

…か、体で!?って、どういう……


「なんか変な想像してない?チョコレートだよ。作ってあげられるから」


タオルを頭から被り、にっと笑う鈴木さんを見て、私はこんな展開になってしまったことをもはや後悔し始めている。


「……変なのは、鈴木さんの方だと思います…。」


言葉のチョイスが独特だから、いちいち反応に困るんですけど…。


「食べたくないなら作らないけど。」
「うう、それは…食べます…けど」


この期に及んでやっぱりチョコレートの誘惑には勝てない私。
よし、と、鈴木さんが微笑んだ。
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