イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
私は俯いて、口をつぐむ。
「なに?」
「…そ、その。角倉さんの本性、知ってたんですか?」
部屋に着き、玄関で靴を脱ぐ。
二足分の靴が、狭いたたきに並ぶ。
「似てたでしょ?あの雑貨屋で見た、猫被った女の子のマスコット。」
片眉にアクセントをつけた鈴木さんは、訳知り顔でにっと笑った。
「やっぱり、あれってそういう意味だったんですね。どこで、角倉さんのその情報をお知りに?」
「さっき、秘書課の子が言ってたでしょ?ごく一部では有名だったんだよ。夫になる彼の耳には入らなかったみたいだけど」
「そうですか…」
私は冷蔵庫を開けて、常備してある赤いパッケージの板チョコを取り出すと、銀紙を剥がした。
違う違う、言いたいのは角倉さんのことじゃない。
チョコレートの甘い香りが、鼻孔に纏わり付く。
早く言わなきゃ。
ドロドロのチョコレートの底無し沼から、片足が抜けなくなってしまう前に。
「あの、鈴木さん、」
「それ、食べるのちょっと待って。」
こちらに近寄った鈴木さんに、チョコレートを没収された。
「え…ちょっと…」
戸惑っている隙に、鈴木さんはご自分の鞄の中から小さなタッパーを持って、私の目の前に戻ってきた。
「先にこっちネ。」
鈴木さんが目の高さで、タッパーを揺らすと、ころん、と軽快な音がした。
「な、なんですか?」
「試作品です。ポップチョコの新フレーバー」
「ポップチョコって、鈴木さんが作っているんですか!?」
「……まあ、自社の商品ですから。」
私の甲高い声とは対照的に、鈴木さんは平坦な口調で言って、タッパーの蓋を開けた。
「なに?」
「…そ、その。角倉さんの本性、知ってたんですか?」
部屋に着き、玄関で靴を脱ぐ。
二足分の靴が、狭いたたきに並ぶ。
「似てたでしょ?あの雑貨屋で見た、猫被った女の子のマスコット。」
片眉にアクセントをつけた鈴木さんは、訳知り顔でにっと笑った。
「やっぱり、あれってそういう意味だったんですね。どこで、角倉さんのその情報をお知りに?」
「さっき、秘書課の子が言ってたでしょ?ごく一部では有名だったんだよ。夫になる彼の耳には入らなかったみたいだけど」
「そうですか…」
私は冷蔵庫を開けて、常備してある赤いパッケージの板チョコを取り出すと、銀紙を剥がした。
違う違う、言いたいのは角倉さんのことじゃない。
チョコレートの甘い香りが、鼻孔に纏わり付く。
早く言わなきゃ。
ドロドロのチョコレートの底無し沼から、片足が抜けなくなってしまう前に。
「あの、鈴木さん、」
「それ、食べるのちょっと待って。」
こちらに近寄った鈴木さんに、チョコレートを没収された。
「え…ちょっと…」
戸惑っている隙に、鈴木さんはご自分の鞄の中から小さなタッパーを持って、私の目の前に戻ってきた。
「先にこっちネ。」
鈴木さんが目の高さで、タッパーを揺らすと、ころん、と軽快な音がした。
「な、なんですか?」
「試作品です。ポップチョコの新フレーバー」
「ポップチョコって、鈴木さんが作っているんですか!?」
「……まあ、自社の商品ですから。」
私の甲高い声とは対照的に、鈴木さんは平坦な口調で言って、タッパーの蓋を開けた。