イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
◇ ◇ ◇
いつまで寝てるの?そろそろ起きなさい__お母さんの声。
頭に響いたその声は、最近受話器越しに聞いたものより若々しかった。夢だった。
キッチンから、甘くていい匂いがしてくる。朝からパンケーキか、とお父さんが言う。
今日は納豆と味噌汁が良かったのに、と心の中で思ってるんだろうな。朝からそんなもん食って、太るぞ、と、起き抜けの私に言った。
その警告を無視して、チョコレートソースをたっぷりかける。
『君はいつから、そんなにチョコレートが好きなの?僕も、チョコレートの中で溺れるなら本望だけど。』
頭のどこかでまた声がしたのと同時に、私はうっすらと目を開けた。
スマホのデジタル時計は、もうそろそろ起きてもいい時間を表示している。ベッドから、半身を起こす。「いつも間に眠ったんだっけ…」寝癖を手櫛でとかした。
懐かしい夢だった。
きっと、小学生の頃だと思う。
夢の中のお母さんとお父さんの、霞がかった顔を思い返しながら立ち上がり、部屋のドアを開けると。
「正夢……?」
食欲をそそるパンケーキの甘やかな香りが、部屋中に充満していた。
テーブルの上に、ラップを掛けたお皿が置かれている。「いや違う、デジャビュかな…」乗っているのは、パンケーキ。急いで作っておいたのか、ラップの内側は曇っていて、水滴ができている。
「鈴木さん……?」
使っていた部屋のドアは、閉まっていた。
一瞬だけ躊躇して、ノックしてみたけど返事はない。それどころか、ドアを開けてみると。
「い、いない……」
来客用の布団は丁寧に畳まれていて、部屋の中はがらんとしている。
たたきにあったはずのスニーカーも、一足消えていた。
パンケーキはまだ、温かかった。
最初の一切れを、ゆっくりと時間を掛けて噛み締めた。ふんわりとした食感、控えめな甘さ。チョコレートソースがあれば、良かったのにな。
私は食べ終えて、週末は、久しぶりに実家にでも帰ってみようかな、と、夢の余韻に浸りながら思った。
いつまで寝てるの?そろそろ起きなさい__お母さんの声。
頭に響いたその声は、最近受話器越しに聞いたものより若々しかった。夢だった。
キッチンから、甘くていい匂いがしてくる。朝からパンケーキか、とお父さんが言う。
今日は納豆と味噌汁が良かったのに、と心の中で思ってるんだろうな。朝からそんなもん食って、太るぞ、と、起き抜けの私に言った。
その警告を無視して、チョコレートソースをたっぷりかける。
『君はいつから、そんなにチョコレートが好きなの?僕も、チョコレートの中で溺れるなら本望だけど。』
頭のどこかでまた声がしたのと同時に、私はうっすらと目を開けた。
スマホのデジタル時計は、もうそろそろ起きてもいい時間を表示している。ベッドから、半身を起こす。「いつも間に眠ったんだっけ…」寝癖を手櫛でとかした。
懐かしい夢だった。
きっと、小学生の頃だと思う。
夢の中のお母さんとお父さんの、霞がかった顔を思い返しながら立ち上がり、部屋のドアを開けると。
「正夢……?」
食欲をそそるパンケーキの甘やかな香りが、部屋中に充満していた。
テーブルの上に、ラップを掛けたお皿が置かれている。「いや違う、デジャビュかな…」乗っているのは、パンケーキ。急いで作っておいたのか、ラップの内側は曇っていて、水滴ができている。
「鈴木さん……?」
使っていた部屋のドアは、閉まっていた。
一瞬だけ躊躇して、ノックしてみたけど返事はない。それどころか、ドアを開けてみると。
「い、いない……」
来客用の布団は丁寧に畳まれていて、部屋の中はがらんとしている。
たたきにあったはずのスニーカーも、一足消えていた。
パンケーキはまだ、温かかった。
最初の一切れを、ゆっくりと時間を掛けて噛み締めた。ふんわりとした食感、控えめな甘さ。チョコレートソースがあれば、良かったのにな。
私は食べ終えて、週末は、久しぶりに実家にでも帰ってみようかな、と、夢の余韻に浸りながら思った。