イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?


アパートを出ると、外は晴天。
花の甘い香りを包んだ風は、とっても暖かくて心地良い。
遊歩道を通ったけど、陽気に誘われて昼寝している鈴木さんの姿はなかった。



「__辰巳さん、お客さんが来てるよ」


お昼休みが始まる頃。
パソコンに向かっていた私の肩を、真下さんが叩いた。


「お客さん?誰だろ…」
「製造の人じゃない?女の子だよ」


真下さんに釣られて、総務部フロアの入り口付近を見ると、作業服を着た女性が私を見て一礼した。「あ…」すぐにピンときた。


『__じゃあ鈴木さん、ご検討よろしくお願いします!』


商品開発部の前で会った人、だ。


「あの、お疲れ様です…」


私にどんな用件だろう。
探り探り近付くと、相手は深刻そうな顔で私を迎えた。


「昨夜、本社の皆さんは駅前の居酒屋で飲んでましたよね」
「は、はあ」
「私たち、製造部も駅前で飲んでたんです」


きっぱりとした隙のない口調で、相手は続けた。


「それで私、帰りに駅前でタクシー待ってて。鈴木さんをお見かけして、追い掛けたんです。そのとき、見ちゃったんですけど。」
「え……な、なにを、ですか?」


頭の中で悪い方の想像がどんどん膨らむ。昨日の帰り、は言うまでもなく、鈴木さんは私と一緒だ。
こういう事態も想定しておくべきだった。会社の近くに住んでるんだもの。一緒にいるところを社員に目撃されるなんて、造作ないことだろう。
と、身構えたとき。


「あなた鈴木さんと一緒に、アパートに入って行きましたよね?ご一緒に、住んでるんですか?」


核心をつく彼女は、きつく研ぎ澄まされた目で私を睨んだ。
< 67 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop