イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
「鈴木さん、待ってください!」
呼び止められた鈴木さんは、ゆっくりと、億劫そうに振り向いた。
「あの、鈴木さんチョコレートお好きですよね。今度私、作ってくるので食べてもらえますか?」
鈴木さんの背中に向かい、彼女は胸を抑えるような仕草で言った。
けれどもすぐに、鈴木さんは回れ右をして。
「悪いけど、受け取れない。ほら、なにがきっかけで変な誤解をされるか分からないから。」
感情が一切伝わってこない、淡々とした声で言って立ち去る。
残された私は、誤解が解けたことを手放しに喜べない気分だった。
鈴木さんの姿が見えなくなるまで、去った方向を眺める彼女が、今にも泣き出しそうな表情だったから。
「あの、申し込み、されますか?本社に勤務されてる方じゃなくても大丈夫ですよ」
「…鈴木さんは、参加されますか?」
私はさっき鈴木さんから手渡された商品開発部の申込用紙を一枚ずつ捲る。鈴木さんの名前が記入されている用紙には、不参加に丸がされていた。
「ええと…、鈴木さんは参加されないみたいです」
「鈴木さんが行かないなら、意味ないですから。」
決意のような口調だった。
鈴木さんが既婚者であることを、彼女は知っているのだろうか。
あの甘いものに目がない鈴木さんが、チョコレートを受け取れないというのは。
『僕は……。大切な人からの、プレゼントだったから、かな。』
きっと、裏切れない大切な人がいるという証拠。
もう一度、不参加の用紙に目を落とし、裏返すと。「え…」裏面に、手書きのメモが。
呼び止められた鈴木さんは、ゆっくりと、億劫そうに振り向いた。
「あの、鈴木さんチョコレートお好きですよね。今度私、作ってくるので食べてもらえますか?」
鈴木さんの背中に向かい、彼女は胸を抑えるような仕草で言った。
けれどもすぐに、鈴木さんは回れ右をして。
「悪いけど、受け取れない。ほら、なにがきっかけで変な誤解をされるか分からないから。」
感情が一切伝わってこない、淡々とした声で言って立ち去る。
残された私は、誤解が解けたことを手放しに喜べない気分だった。
鈴木さんの姿が見えなくなるまで、去った方向を眺める彼女が、今にも泣き出しそうな表情だったから。
「あの、申し込み、されますか?本社に勤務されてる方じゃなくても大丈夫ですよ」
「…鈴木さんは、参加されますか?」
私はさっき鈴木さんから手渡された商品開発部の申込用紙を一枚ずつ捲る。鈴木さんの名前が記入されている用紙には、不参加に丸がされていた。
「ええと…、鈴木さんは参加されないみたいです」
「鈴木さんが行かないなら、意味ないですから。」
決意のような口調だった。
鈴木さんが既婚者であることを、彼女は知っているのだろうか。
あの甘いものに目がない鈴木さんが、チョコレートを受け取れないというのは。
『僕は……。大切な人からの、プレゼントだったから、かな。』
きっと、裏切れない大切な人がいるという証拠。
もう一度、不参加の用紙に目を落とし、裏返すと。「え…」裏面に、手書きのメモが。