イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
目を見て話すのは、いつ振りだろう。


「私は、遠慮しときます…」


時間差で、ドキドキしてきた頃。

結婚式が始まって、新郎新婦が入場した。会場が割れんばかりの盛大な拍手に包まれる中、華やかな真っ白のウェディングドレスを着た角倉さんからは、幸せそうな笑顔が溢れる。
タキシード姿の日浦は、段差で角倉さんを気遣うようにエスコートした。キリッとした頼もしげな顔立ちだった。


「__それではこれよりご来賓を代表していただきまして、ご祝辞を賜りたいと思います」


滞りなく、式が進行する。


「お二人がお勤めでいらっしゃる製菓会社の代表取締役社長、鈴木豊さんに主賓の祝辞を賜る予定でしたが、本日はご都合により欠席されておりますので、代理で、」


ガタリ、と。
真後ろで、椅子が動いた。


「商品開発部の鈴木純大さんにお願いしたいと思います」


テーブル席周辺が一斉にどよめく。
なんで鈴木さんが代理で…?という疑問が、出席した社員たちに同様に湧いた。


「ぶ、部長補佐…?」


碓井さんが目を見開いて、スピーチに向かう鈴木さんの姿を目で追った。

私も、目が離せない。


「ただいまご紹介に預りました、鈴木純大です。あ、お二人ともどうぞ、お座りになってください」


臆することもなく堂々とした口振りで、マイクの前に立った鈴木さんは、新郎新婦に促した。彼らは鈴木さんに一礼をして、再び腰を下ろす。


「日浦くん、角倉さん、ご両家の皆様、本日はおめでとうございます。父は本日、急な海外出張で欠席させていただくこととなりましたので、大変恐縮ではありますが、僕が預かってきた祝辞を代読させていただきます。」


そこまで流暢に話した鈴木さんは、上着の胸ポケットから、封筒を取り出して、紙を広げる。


「__“本日はこのようなおめでたい席にお招きいただきましたことを、大変嬉しく思っております。”」
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