イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
バッグを拾い上げた鈴木さんは、はみ出していた茶色いもじゃもじゃの物体を、指先で摘まんで引っこ抜いた。


「あ!!そ、それは…」


身体中、頭部が特にもじゃもじゃで。眠たそうに目を細め、口をばってんに結んだ。
雑貨屋さんで一緒に見た、熊のマスコット。


「これ、買ったの?」


抑揚のない声で呟いた鈴木さんは、呆れたような顔で私にその、鈴木さん似の熊のマスコットを手渡した。


「は、はい…」


どうしても欲しくて。
実は鈴木さんが私の部屋を出て行ってから、雑貨屋さんにひとりで買いに行ったのだ。


「そういえば前に質問されたけど、角倉さんの酒乱の話を聞いたのは父からだよ」


鈴木さんはソファーの隣に腰を下ろし、「え!?」という私の声に煩そうに目を細める。


「ど、どうして社長が…。角倉さんって、社長秘書なんですか?」
「いや、違うけど。今、親父秘書課の若い娘と付き合ってて。噂で聞いたんじゃない?今日も結婚式とんずらこいて、僕に祝辞を押し付けて旅行にしけこんでる」
「え!!」


しゃ、社長の彼女って秘書…?
しかも、とんずらって…大丈夫なんですか?

熊のマスコットを両手に持っていた私は、眠たそうな目を見つめる。
ま、まぁ、私たちも中座してしまった訳だし、人のことは言えない、かも?


「__それより。」


ずっしりと肩が重たくなった。
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