うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜
「いいも悪いも。
 今はお前の家みたいなもんだ。
 好きにしろ」

 もうなにもかもバレているのなら、別に神田を遠ざける理由はない。

 いや、なにもかもではないが……。

「で、なんでそんな話になったんだ?」
と問うと、

「いやいやいや。
 神田くんが私が料理ができなさそうだって言うから」
と言ってくる。

「実際、そんなにできる方じゃないよな」
と言ってやると、

「そうなんだけどさ。
 スペシャルな肉じゃがは作れるのよって、さっき言っちゃったから」
と言ってくるので、その威張りようが、ちょっと可愛い、と思いながらも、

「……大丈夫か?
 俺が裏で作っておいてやろうか?」
と言うと、瑞季は、もうっ、と言う。

「此処で言ったら、裏で作ってもらっても意味ないじゃない」

 神田が、
「バレなかったら、それでいいわけ?」
 相楽さんのプライド、何処へ行ったの? と呆れたように呟いていた。

 本当にざっくりな奴だ……。






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