うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜
「そうよね。
同窓会の晩だったからって、相手がそのとき一緒に居た人とは限らないわけよね」
「そうだね。
飲屋街近くの公園でなにか漁ってた浮浪者の人かもしれないわけだし」
「だから、そこから離れてよ」
その可能性には思い至らなかったけど、同窓会が終わったあと、誰かと街でバッタリ出くわしたとかってこともあるかも、と思っていると、
「いや、同窓会の相手だよ」
と前を見たまま、神田が言ってくる。
え? と振り向いたが、
「ああ、着いたよ、相楽さん」
と神田は言う。
開いた扉から降りようとして、ん? と思った。
「そういえば……玄関フロアの監視カメラには録画されてるか。
私が誰と戻ってきたのか」
「じゃあ、管理人さんに訊いてみれば?
私が連れ込んだ男の人が知りたいから、録画データ見せてくださいって」
……やっぱ、やめとく、と言うと、わかっていたように、そう、と言う。
「管理人さんに素行の悪い娘だと知られるのが嫌なだけじゃなくて……」
誰が素行の悪い娘だ。
「真実を知るのが怖いんじゃないの? 相楽さん」
「そうかも」
と言いながら、部屋の鍵を開ける。
同窓会の晩だったからって、相手がそのとき一緒に居た人とは限らないわけよね」
「そうだね。
飲屋街近くの公園でなにか漁ってた浮浪者の人かもしれないわけだし」
「だから、そこから離れてよ」
その可能性には思い至らなかったけど、同窓会が終わったあと、誰かと街でバッタリ出くわしたとかってこともあるかも、と思っていると、
「いや、同窓会の相手だよ」
と前を見たまま、神田が言ってくる。
え? と振り向いたが、
「ああ、着いたよ、相楽さん」
と神田は言う。
開いた扉から降りようとして、ん? と思った。
「そういえば……玄関フロアの監視カメラには録画されてるか。
私が誰と戻ってきたのか」
「じゃあ、管理人さんに訊いてみれば?
私が連れ込んだ男の人が知りたいから、録画データ見せてくださいって」
……やっぱ、やめとく、と言うと、わかっていたように、そう、と言う。
「管理人さんに素行の悪い娘だと知られるのが嫌なだけじゃなくて……」
誰が素行の悪い娘だ。
「真実を知るのが怖いんじゃないの? 相楽さん」
「そうかも」
と言いながら、部屋の鍵を開ける。