最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
―― ボッ ボッ ボッ……。
次々と燭台に火が灯っていく。
驚くことに炎の色が、赤から黄色、次いで緑、それから紫、そしてまた赤へと、目まぐるしく変化していった。
炎はまるで命が宿ったようにユラユラ揺れ動きながら、神殿の天井に向かって大きく太く成長していく。
―― シュルル……。
ノーム様の足元から、緑色の細い蔦が四方へ伸びた。
あっという間に床一面を覆い尽くし、壁まで覆ったかと思うと、白い蓮に似た大輪の花が一斉に咲き乱れる。
大きな花冠がランプのようにパッと光って、周囲を鮮やかに照らした。
「あ……」
「キアラ様? どうされましたか?」
「風……が……」
この神秘的な空気に誘われて、私の精霊の血が揺り動かされて風が生まれる。
汗ばむ額を冷ますような、疲れた体を励ますような、明るく優しい風が神殿の中を軽やかに駆け巡った。
「エヴル、風が……私の風が吹くわ」
ああ……なんて心地いいんだろう。なんて充実感だろう。
私の中に、こんなにも当たり前に風があるなんて!
余計な理屈も、わだかまりも、凝り固まった感情も、縮こまった観念も、ほんのひと吹きでたちまち吹き流されていく。
風に心をふわりと撫でられるたび、自分の中の窓がひとつ、またひとつ開いていく解放感がある。
燭台の炎の柱が風の力で、より一層輝きを増す。
純白の光を放つ美しい花びらが、心地良さげにふわふわと風に靡いている。
次々と燭台に火が灯っていく。
驚くことに炎の色が、赤から黄色、次いで緑、それから紫、そしてまた赤へと、目まぐるしく変化していった。
炎はまるで命が宿ったようにユラユラ揺れ動きながら、神殿の天井に向かって大きく太く成長していく。
―― シュルル……。
ノーム様の足元から、緑色の細い蔦が四方へ伸びた。
あっという間に床一面を覆い尽くし、壁まで覆ったかと思うと、白い蓮に似た大輪の花が一斉に咲き乱れる。
大きな花冠がランプのようにパッと光って、周囲を鮮やかに照らした。
「あ……」
「キアラ様? どうされましたか?」
「風……が……」
この神秘的な空気に誘われて、私の精霊の血が揺り動かされて風が生まれる。
汗ばむ額を冷ますような、疲れた体を励ますような、明るく優しい風が神殿の中を軽やかに駆け巡った。
「エヴル、風が……私の風が吹くわ」
ああ……なんて心地いいんだろう。なんて充実感だろう。
私の中に、こんなにも当たり前に風があるなんて!
余計な理屈も、わだかまりも、凝り固まった感情も、縮こまった観念も、ほんのひと吹きでたちまち吹き流されていく。
風に心をふわりと撫でられるたび、自分の中の窓がひとつ、またひとつ開いていく解放感がある。
燭台の炎の柱が風の力で、より一層輝きを増す。
純白の光を放つ美しい花びらが、心地良さげにふわふわと風に靡いている。