Revive
「……なんのことだよ」


ラファエルとかいう金髪がニヤリと笑い、首をかしげながら俺に顔を近づけてきた


「1ヶ月前……あなたは惚れていた女が目の前で死ぬのをみたでしょ?」


「!?」


「それを変えたいかってきいてるんですよ」


ラファエルの顔が一気に変わる


「お前……なんでそれを」


「告白した後日に死んだ理由はもちろん知りたいですよねー。そうでないという確信が欲しい。だって自分が殺したことになりますもんねー。だからあなたは自分を攻め続けてる。実に滑稽」


「……お前……」


「やっだー!!そんな怖い顔しないでくださいよー!!んもー!!」


パッとさっきのうっとしい顔に戻る


「もちろん!!拒否権もあります!!他にも候補者はいますしねー。あなたが断ればチャンスが別の人に移ります。それもそれで私はいいんですけど……も……」


ちらっとこっちを見る


「どうします?説明だけでもききます?」


「……そんなの……過去なんて……」


「変えれるわけがない。そう思ってるでしょ?」


先に言われてしまった


「変えれるんですよ。あなたはその権利を得た」


「権利を……」


「あなたにはこのチャンスを逃して欲しくない。私はそう思ってます」


変えれるなら変えたい


綾音がいない未来なんて想像したくなかった


だが現実、彼女はもういない


いっそ死のうかと思ったが、そんな勇気もない


俺には調べることしかできなかった


それも……無意味な


それだったら信じてみてもいいかもしれない


俺は信じられない力を信じることにした

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