乙女は白馬に乗った王子を待っている
「それから、山村さんの様子も見て来て欲しいんだが。」
「山村さん……って、あの山村月星(るな)さんのことですか?」
「来週にでも職場を見に行って、話を聞いて来てくれるか?」
「何か、クレームでも来てるんですか?」
「いや、別に。」
じゃあ、何で、面倒くさいじゃないですか、と言おうとしたが、高橋の方が早かった。
「山村さんもそろそろ話がしたい頃だと思うから、それとなく昼休みに重なるように行って、食事でもしてきてくれ。」
「……はい。」
また一つ仕事が増える。
一人だから仕方がないとはいえ、ゆり子の業務内容は多岐にわたり、タウン誌の広告を境にかなり忙しくなりそうだった。