乙女は白馬に乗った王子を待っている
そのとき、さやかのケータイが鳴った。
「あ」
表示を見て小さく声をあげる。
「ごめん、ちょっと出るね。」
さやかはコホンと小さく咳払いをして電話に出た。
「もしもし……、はい。」
「……… え? あ、そ、そうなんですか。」
「……いえ、あの、……私は大丈夫ですから。」
「……ホントに。その、……そんなに謝らないで下さい。」
「……お仕事なら仕方がないですから。……はい。」
「……大丈夫です、連絡待ってます。」
高橋からの電話のようだった。
案の定、電話を切ると、さやかはふーっと大きなため息をもらした。
「急に仕事が入っちゃって、遅れるって……電話だった、高橋さん。」
「そっかー、じゃ、ここでチョコレートサンデーでも食べてったら?さやかちゃん、好きだろ? オレ、ちょっと買ってくるよ。」
さやかが口を挟む間もなく、翔太はすっと立ち上がると、カウンターまで買いに行った。
すぐに翔太は戻って来た。二つのサンデーを手にしている。