乙女は白馬に乗った王子を待っている
結局、高橋は一時間遅れで待ち合わせの場所にやってきた。
時間が読めないというので、高橋が予約していたとかいう店の近くのカフェで待ち合わせをした。
翔太とサンデーを食べて、慰められて、いつものようにたわいない話もしていたら、時間はあっという間に過ぎた。
高橋が血相変えて駆け込んで来た時に、さやかは笑う余裕すらあったのだ。
「ごめん! ホントごめん! 久しぶりだってのに、遅刻しちゃって。」
「お仕事じゃしょうがないですよ。」
意外だった。
高橋は、てっきり悲しそうな恨めしい顔をされるとばかり思っていたから、穏やかに微笑みさえ浮かべているさやかは予想外だった。
「これから、どうする? お腹空いてる? 食べちゃった?」
「あー……。そうですね、高橋さんは、ど、どう……したいですか。」
「腹は減ってるかなー、食べてないんだよね。
今日はそんなに混んでないらしくて、予約した店、今からでも大丈夫みたいなんだけど、そこ行っていい?」
「ハイ! じゃ、行きましょう。」
明るく返事をして立ち上がった。
「何か、いいことあった?」
高橋がさやかに訊いた。
「え? 別に、何も……、何もありませんよ?」
さやかは顔を赤らめていた。