乙女は白馬に乗った王子を待っている

こういう時、多分、女の方が断然、神経が図太いのだろう。

ピンポーンとチャイムを鳴らして、ゆり子が高橋を連れて帰った時、嬉しそうにはしゃいだのがさやかで、うわあぁ……という顔をしたのが翔太だった。

高橋は、翔太の気持ちが痛いほどわかる。

女って、どうして、こう張り合いたがるんだろう。
そりゃ、翔太とさやかの前に、一人でいるのが悔しくて高橋を連れて来た、というゆり子の気持ちは分からないではないが、男は女のステータスを表す道具かい!?とツッコミを入れたくなる。

最も、高スペックの高橋にとって、女の自慢の種にされるのは慣れっこで、こういう状況での振る舞いは割りと慣れていた。

ゆり子が、わあわあ言いながら、高橋と一緒に途中で買って来たという、デパ地下での小洒落たお惣菜をいくつか並べた時、翔太はむっとした顔を隠しもしなかった。

無邪気なさやかが

「うわぁ、どれもこれも美味しそう。あ、このスイーツ、一度食べてみたかったのぉ。さすが、高橋さん、センスいいですねぇ。」

と、はしゃぐから、高橋の方がはらはらしてしまう。



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