乙女は白馬に乗った王子を待っている
「ってか、31にもなってかなりヤバくない?
さやかなんて、15の時から、言ってることとか理想の男性像とか絶対変わってないよ、アレは。」
思わずホンネが出る。
「そおゆうの、可愛いんじゃない?オレは守ってあげたくなるけどなあ。」
「31でも?」
「ゆり子さんはどうなの?男に守ってもらいたい、とか思わないの?」
「そりゃあ、翔太みたいにどーんと構えてる頼りがいのあるヤツだったらさ、思えるかもしれないけど……。」
「残念ながら、オレはそんなに甲斐性ないみたいだけどね。」
「そんなことないよ!それは、さやかが世間知らずなだけだよ。アタシだったら、絶対、翔太についていくけどなー!」
翔太は、少し情けなさそうな微笑みを浮かべた。
「ありがとう、ゆり子さん。」
「うん、応援してるよ。」
「じゃあ、何で合コンなんてセッティングしたのさ。」
少し恨みがましい顔になる。
「え……、そ、それは……」
「ゆり子さんも心の中では、宅配便の運ちゃんなんか相手にできないとか思ってんじゃないの?」
「社長」という肩書きは、翔太のコンプレックスを激しく刺激しているに違いなかった。
多分、翔太がもう一歩、踏み込めないのは、それが理由だ。
「違うよ!アタシはそんなこと思ってないよ!」
ゆり子は思わず声を荒げていた。