乙女は白馬に乗った王子を待っている
そんな感じで三ヶ月ほど経ったころだろうか。
バレンタイン直前の週末、いきなり翔太がゆり子を呼び出した。
それまでは、必ず三人で会っていたので、ゆり子は秘かに小躍りした。
もちろんバッグには小粋なトリュフの詰め合わせもしっかり用意した。
ビールで乾杯した後、翔太は思い詰めたようにゆり子に切り出した。
「さやかちゃんてさ、誰かにチョコレートあげたりする予定、ある?」
あ……そういうこと。
そういうことね。
「……あ、い、いないと思うよ……。そんな話、全然聞いてない。」
ゆり子の返事を聞くと、翔太は満面に安堵の笑みを浮かべた。ゆり子が軽く冷やかすと、翔太は少し照れたように頭を掻いた。
ゆり子の口からは自然とこんな言葉がこぼれた。
「アタシ、応援するよ、翔太、いいヤツだもん。うん、翔太なら絶対大丈夫。」
その夜食べたトリュフのほろ苦さは今でもはっきり覚えている。
それから、ずっと、ゆり子は翔太の「良き相談相手」だった。
バレンタイン直前の週末、いきなり翔太がゆり子を呼び出した。
それまでは、必ず三人で会っていたので、ゆり子は秘かに小躍りした。
もちろんバッグには小粋なトリュフの詰め合わせもしっかり用意した。
ビールで乾杯した後、翔太は思い詰めたようにゆり子に切り出した。
「さやかちゃんてさ、誰かにチョコレートあげたりする予定、ある?」
あ……そういうこと。
そういうことね。
「……あ、い、いないと思うよ……。そんな話、全然聞いてない。」
ゆり子の返事を聞くと、翔太は満面に安堵の笑みを浮かべた。ゆり子が軽く冷やかすと、翔太は少し照れたように頭を掻いた。
ゆり子の口からは自然とこんな言葉がこぼれた。
「アタシ、応援するよ、翔太、いいヤツだもん。うん、翔太なら絶対大丈夫。」
その夜食べたトリュフのほろ苦さは今でもはっきり覚えている。
それから、ずっと、ゆり子は翔太の「良き相談相手」だった。