俺の彼女に浮気は無理
後日の昼休み。
あの日から、昌と真田ののろけ話が止まらない。事ある度に話すもんだから彼女のプライバシーがあったもんじゃない。
可哀想に。
『でな、一瞬だけ超ラブラブの熱々だったんだけど、またあれだよ!』
と、いつかのデジャブばりに窓越しに見える中庭を指差せばのばら達の集いがまた開かれていた。
またしても、昌と真田がヘタレぶりを披露したのかと昌を見れば、えっ…今回は違うよ!と焦りまくっていた。
『今回は、のばらちゃんに弟子入りしてるんだって!』
『……なに?』
もぐもぐと焼きそばパンを頬張る昌が頭がちょっとな発言をしやがった。
『なんかさー、波留とのばらちゃん付き合って長いじゃん?だから、その秘訣を伝授してもらってるらしいよ』
『なんだ、それ』
『それはこっちが言いたいよー。愛夏、最近のばらちゃん化してきて、俺への態度が雑なんだけど』
『のばらと、お前への態度は関係ないだろ』
『だって、愛夏が言ってたんだもん!波留とのばらちゃんの付き合い方を見習ってるんだってさー』
ブーブー愚痴を垂れ流す昌が憐れに見えてきてしょうがない。