兄妹愛‐kayane and kazune‐
それから、無言で学校まで歩いた。
本当は話がしたかった。
でもできる訳ないでしょ?
お兄ちゃん。
あたしはお兄ちゃん離れ、
してみるよ。
「じゃあ、な。」
学校に着くとお兄ちゃんはそう言った。
学年によって玄関が違うからしょうがないのだけれど。
お兄ちゃんの背中は小さい訳じゃないのに
なぜか寂しげに見えて、
あたしまで切なくなった。
教室に入るなり、まきえがあたしのところへ駆け寄ってきた。
「よかったね、付き合うんだって?」
まきえからいう前にあたしから言った。
なぜだかまきえの口からは聞きたくないって思ったから。
「うん、そうなの」
ほんのり、赤くなるまきえ。
こんなに可愛い子と付き合えて、
お兄ちゃんも幸せだね。
きっと、昨日のことは
嘘だったんだ。
悪い夢を見ていただけ。