兄妹愛‐kayane and kazune‐
「あのね、昨日突然、先輩から電話が来てね……?「ごめん、あたしトイレ行って来る!」
なに、やってんだろ…。
あたし…。
ただ、まきえがお兄ちゃんと付き合うきっかけ、話そうとしただけなのに…。
教室を出て、本当にトイレに行くわけでもなく、あたしは屋上へ向かった。
屋上はいつものサボり場。
別によくサボるわけじゃないけど、気が向いたときに、ね。
誰もいないといいけど。
特に、駿君とか…?
そんなこと考えながら階段を上がっていると、
もう階段がなかった。
転びそうになって、誰かに見られてないかキョロキョロ辺りを見渡した。
もう授業が始まってるから、誰もいないけど。
―ガチャ
屋上の重い扉をあげると同時に少し肌寒い風が一気に入りこんだ。