兄妹愛‐kayane and kazune‐
―キンコンカンコーン
「このままサボりたいとこだけど、茅音は教室戻ったほうがいいよ。」
「なんで…?」
「なんでもー!」
そういうと、キスしてきた、
触れるだけの、キス。
「……わかった。」
なんだか今まで友達だったのに、
急に恋人って、
なんか照れる。
今ごろになって、キスが恥ずかしくなってきた。
それがばれないように、そそくさと屋上をあとにした。
“茅音”
駿君は言った。
お兄ちゃんと家族にしか、呼ばれてことのない、名前。
なんだか、変な感じ。
教室に戻ると、まきえが心配そうに駆け寄ってきた。
「トイレ探しに行ってもいないし、心配したよーっ!」
「あはは、ごめんごめん。」
さっきより、
少しだけ心がすっきりしていた。
やっぱり、駿君のおかげかもしれない。