兄妹愛‐kayane and kazune‐
「………なに、」
俺が声をかけると、女が俺を見た。
静かな沈黙。
女はぼーっとこっちを見てる。
この女も、俺の顔で選ぶんだ、きっと。
「はっ!いけない、ぼーっとしてた!」
女はいきなりぼーっとしてた瞳を
はっきりさせて、またこっちを見た。
「あーーっ!タバコ!あなた先輩でしょ?先輩がそんなんじゃ、後輩まで真似しちゃうじゃん!
大体、タバコってそんなおいしいわけ?
癌になっちゃうんだから!
周りの人にも害があるんだから!
タバコ、やめてよね!」
………なんなんだよ、
この女。
なに、先輩って知ってるのに何でため口なわけ?
てゆうか、俺すんげー不良に見えるせいか、新入生なんか避けてたのに、こいつはなに?
説教されたの、久しぶり。
女に、しかも年下に説教されたのは
初めてだし。