ねぇ、運命って信じる?

△▼△▼△▼△▼△▼ side美羽

愛莉に”プロの意見が聞きたいから一緒に来て?お願い!”と頼まれて他の式場見学に付き合うことになった。それはいい。自分も勉強になるし、この前の埋め合わせもしたかったから。だけどそこで見てはいけないものを見てしまった……それは綾乃さんが他の式場に違う男性を連れてきている場面だった。
初めはなんで綾乃さんが他の人と一緒にいるのか不思議に思った。でも2人はどう見ても恋人同士にしか見えない。2人は楽しそうに、時折イチャつきながら見学をしている。なんで…どうして?疑問ばかりが頭の中が埋め尽くしていった。そして私がが出した結論は綾乃さんが二股して2人を天秤にかけているというものだった。

私だったら…彼を裏切ったりしないのに…どうしてそんなことができるんだろう。いらないのなら彼を私にちょうだいよ…
…でも彼はそれでも綾乃さんが良かったんだよね?だから突然いなくなったのに、また私と再会しても平気そうなんだよね?…綾乃さんが羨ましい。正直ずるいとさえ思う。私は彼を手に入れられることが出来なかったのに…彼女は彼を天秤にかけているなんて…はぁ、担当替えしたい。2人を心から祝えそうにないよ…。それまでは最大限努力して2人を祝おうと本気で思っていたのに…そんな気持ちがみるみる萎んでいった。

焦る気持ちを抑え、綾乃さんに見つからないうちに早々と引き上げ愛莉と式場を出た。愛莉はまだ見たかったのに…と少し不満気だけど、ただならぬ様子を察知してくれて、とりあえず私の自宅へ向かった。今日は愛莉が泊まる予定なので店に入るよりも自宅でゆっくり話した方がいいと思ったから。

あったかい紅茶を2人分用意しテーブルをはさんで座った愛莉はさっそく
「ねぇ、さっき何であんなに急いで帰ろうとしたの?美羽が見ていた2人は誰?」
「さっき…彼女がいたの。恭護の婚約者…」
眉間にシワが寄るのを感じながら紅茶を一口飲んだ。
「じゃあ、あの2人恭護くんとその婚約者だったの?」
「ちがう。そうじゃなかったの!そうならまだ良かったのに。…彼女は違う男の人と一緒にいたの…」
その言葉の意味を瞬時に理解した愛莉は
「はぁ⁉︎ 一体どいうこと⁉︎ 恭護くんの婚約者が浮気してるっていうこと?」
「わからない…でもそうだとしたらどうしよう。たとえ本当の終わりを迎えるとしても…彼が選んだのは私じゃないから…もう忘れて前に進もうって決めたのに…」

しばらく沈黙が続いた後、愛莉が意を決したように残りの紅茶を飲みほした。
「美羽…あのね、2年くらい前かな?唐突に今どこにいるか尋ねた事があったでしょ?」
「うん。」
「あの時、恭護くんから突然修平に連絡が来て美羽の居場所を聞かれたの… でもその後すぐ連絡は来なかった事にして居場所を聞いたことも秘密にしてほしいって頼みこまれたんだ。」
「そんな…なんで…。」
涙で目の前の愛莉がにじんで見える。
「美羽…泣かないでよ…秘密になんて出来ない。ってもう一度連絡しようとしたんだけど、電源が切られてて通じなくて…あの頃の美羽ようやく前向きに頑張ってたからそのこと伝えたらまた苦しむし、連絡取れる状況ならまだしも、次の日には携帯も解約されたみたいで美羽に伝えない方がいいと思ったの。今までずっと黙っててごめんね。早く話さなきゃってずっと思ってた。本当にごめん…」
涙目で語る愛莉は黙っていた事に相当心を痛めていたのだろう。そんな姿を見ると強く言えないよ。愛莉が時々何か言いたげだったのは、このことだったのかな…。
「そう…だったんだ……」
混乱する頭の中でやっと言葉を紡ぎ出した。

あの時私何してたんだっけ?
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