love square~四角関係なオトナ達~
「それはそうと。また“初めて”をもらいましたね」


「え?」


「宮崎さんのキスに対する嫉妬です。そんなに悲しくなるほど、私が他の人にキスされるのが嫌でしたか?」


「そんなんじゃないしっ」


「じゃ、何?」


「あれは…ただ!ドライブ、って…星を見せてくれるって言ったのに…」


「キスの後でも行けたでしょう」


「誰が工藤なんかとッ」


「矛盾してますね。キスは嫌、で、嫉妬、しかしドライブは行きたかったと?」


「そんなのあたしの勝手でしょッ」


「その勝手な涙のせいで私は春流に殴られたんです。このボコボコに腫れた顔、どう責任取ってくれますか?」


すっかり食器を洗い終えた工藤は、冷たい手であたしの右手のリングを触った。


一瞬であの時にトリップしてしまう。


仲直りにもらったリング。


ミントのキスの味。


わかっちゃう気持ち。


急に恥ずかしくなって顔をそむけるあたしに、工藤は小さく笑った。
< 139 / 240 >

この作品をシェア

pagetop