love square~四角関係なオトナ達~
煮詰まった気分を変えたくて、事務所の石畳の前庭に出てみる。


春流が6月に咲くって言ってたライラックが、もう蕾をつけていた。


「キミ達の時間は早いね。雪がと溶けたら次々に花をつけなきゃ間に合わないものね」


独り言を呟いて色とりどりに咲く花達を見ていると。


「お嬢さん」


声に振り向くと苦々しい表情の帆乃香さんが立っていた。


「帆乃…」


「嬉しい?」


「…え?」


「みんなにチヤホヤされて、嬉しい?」


「あたし…そんなつもり…」


「さぞ気持ちがいいでしょうね。お金もあって、この会社も継げる上に婚約者候補を3人も手玉にとって。可愛いだの好きだの嫌いだの、って、夜な夜な日替わりで喘ぎ回ってんじゃないの?」


「そんな…!」


「気に入らないのよッ!!わたし、アンタ見てるとイライラすんのッ!何もかもメチャクチャにしてやるからッ!!」


───バシャッ!!


「キャッ…!」
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