love square~四角関係なオトナ達~
帆乃香さんが小さな瓶の中の液体を、あたしの顔をめがけて振りかけた。


とっさに手でかばったけど、手と首元がすぐに灼けるようにジリジリと痛み出す。


「いい気味よッ!」


帆乃香さんは笑ってあたしを通り過ぎ、駐車場の車にエンジンをかけて農場を出て行った。


「───イタイ…ッ!」


見るとTシャツ繊維が、かかった液体のせいで溶けている。


工藤には見せたくなくてわざわざ畑側の裏口から家に入り、慌ててTシャツを脱いでそのままシャワーをかける。


痛みに耐えて冷たい水をかけても、どんどん赤みの増していく肌。


「どうしよう…」


かけられたのは間違いなく何らかの薬品に違いないけど、処置を誤ると皮膚がどうなるかわからない。


薬品…きっと工場から持ち出したに違いない。


あたしはびしょ濡れのままバスルームを出て、濡れた手でスマホを取る。


コール7回。
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