love square~四角関係なオトナ達~
「姫葵さん…!」


「琉偉…!春流が…起きてね、手を握ってくれたよ?」


「わかりました。さ、行きましょう」


「え?行くって、どこ…」


琉偉は何も言わず、あたしを車に乗せる。


「春流の傍にいなきゃ」


「まずは姫葵さんの処置です」


そのまま車は病院から離れた診療所へ。


塩酸をかけられた後にお世話になった病院だった。


促されるまま処置室の椅子に座り、上半身の服を脱いでガーゼを剥がすと、あたしの傷は膿んでひどい有様だった。


消毒とお薬、ガーゼの交換。


続いて別室のベッドに横になり、点滴治療。
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