隣の犯罪者?!
ちらりと見えたのは警察の人らしかった
皇夜はやっぱり···
私は玄関までフラフラと歩いていった
「ねぇ」
「如月皇夜おまえ昨日どこにいた?
昨日、飛び降り自殺があったのは知ってるよな?」
「まあ」
皇夜は私を隠すようにしていた
「如月、おまえの元カノらしいじゃないか」
えっ?皇夜の元カノ?
「あれは自殺っしょ
俺には関係ない」
「如月、おまえ前科持ちだって忘れるなよ?」
「俺はちゃんと更正しましたよ牧さん」
「如月いいから来い」
「用事あるんっすよ」
前科?皇夜はやっぱり普通じゃないんだ
「如月、俺はおまえを許さない
おまえみたいな最低な人間が生きてるだけで許せない」
なにも言わずに皇夜を殴りつける
さすがに私も黙っていられなかった
「皇夜」
「如月、いい気なもんだな
昨日、元カノが死んだんだよな?
いや殺したんだよな
それでもう鞍替えか?
君、送ってあげるから来なさい」
私は皇夜に後ろから抱きついた
「帰れよ」
どちらに言ったんだろう
「私、帰らないよ」
「わかったろ俺がどんな人間か」
「わかんないよ」
刑事さんは呆れたように帰ってしまった
玄関のドアを閉めて皇夜はベッドに座る
「大丈夫?」
「おまえ俺と同じような人間かと思ってた」
「えっ?」
「あいつがいなくなって良かったってだから笑ってた
そんなんどうでもいい
送ってくから支度しろ」
「私ね昨日も怒られちゃった」
私もベッドに腰かけると隣からため息が聞こえた
「おまえの与太話しなんか聞きたくない」
「そりゃあ私と皇夜を一緒にするなんてできないよ
でもね私だって一生懸命生きてるし失敗しながら」
「笑って言うことかよ」
「笑ってなきゃやってられないよ」
「んで」
「あっえっと毎日怒られてばかりなんだ私」
「要領わるいからじゃね?」
「だからそうなんだってわかってるよ」
めんどくさくなったのか皇夜は私を隣から引き寄せた
「さっきから携帯鳴ってる」
「えっ?」
慌てて鞄から取り出す
「美咲?美咲?よかったぁ心配したんだよ
ぜんぜん出てくれないから
今どこ?会社には来れる?大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「あれ少し元気ない?」
「元気だよ」
「会社で待ってるから」
「うっうん」
「ねぇ美咲知ってる?
営業部の高倉さんが亡くなったの」
あの美人営業部長が?
「ウソ」
「昨日、飛び降りたらしいよ駅近のビルの屋上から」
「なんで···」
「私もよくわかんないんだけど」
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