悲しみの果てに

••帰国


私の携帯は、海外では機能しなくて
結さんにも、沙良にも
連絡が取れていなかった。

たぶん、結さんのご両親が
父が、迎えに来てくれた話しと
私の手紙を渡してくれて
いるだろうと思っていた。

そんな時·····
陣痛が始まり
私は病院へ入った。

父は、オタオタしていて
看護士さんに
叱られていた。
「クスクスっ」

私は、何度も何度も
痛みと戦いながら
赤ちゃんを産んだ。

可愛い、女の子だ。

鈴菜は、名前を色々考えて
愛菜(あいな)と名付けた。
母が、柚菜
私は、鈴菜
だから、
娘は、“愛菜”
『愛を育てるように‥‥の意味も込めて。』

父は、愛菜をとても可愛がり、
私はドイツを楽しみながら
子育てをした。

愛菜は、すくすくと育ち
「マァマ」「ジィジ」から
話すことが面白いのか、色んな話をする。

父は、国語の先生だから
日本語とドイツ語を丁寧に教えていた。

私も、父のお陰で
   ドイツ語は話せる。

父にお願いして
やっと、海外対応可能な携帯を
購入して貰った。

結さんも沙良も連絡が取れて
二人の声を聞いて
ホッとしていた。

愛菜の写真も送り、
二人とも大絶賛だった。



それから・・・・

日本を離れて二年後に
私は、日本に一度帰国することになった。
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