俺様彼氏はShy Boy?
「適当に座ってて」
ソファーを指差し、あたしはキッチンへと向かう。
カウンターキッチンになってるため、ここからも海斗の姿が見える。
ソファーの前まで行くと、ドカッと偉そうにふんぞり返る海斗にクスリ笑みが零れた。
その光景が不思議で、とても新鮮で。
見慣れた自分の家のリビングなのに、違う場所のようにも感じる。
いつものうちの匂いに、海斗の香水の匂いが混ざる。
そんな些細なことなのに、幸せを感じる。
「コーヒー、飲む?」
顔だけ振り返り、おう、と短い返事が返ってくる。
それだけなのに、緩んでしまう口許。
海斗はミルクだけ。
あたしはミルクも砂糖もたっぷりのカフェオレ。
「はい、どうぞ」
テーブルの上に置かれる、あたしのお気に入りのカップ2つ。
コーヒーのいい香りが、ふんわりと広がっていった。
海斗から少し離れた場所。
床の上にちょこんと座って、カップを両手で包み込んだ。
フーフーと息を吹きかけ、ユラユラ揺れるカップの中を覗きこむ。
それをただボーっと見つめてたのは、緊張で海斗を見ることができなかったから。