俺様彼氏はShy Boy?


暗闇の中でも見える。

表情は辛そうに歪み。

今にも泣き出しそうな悲しい瞳。

そんな顔で見つめられたら、抵抗することを忘れてしまう。


いつもの偉そうな海斗はどこにもいなくて。

情けない顔をした海斗が目の前にいる。


ドキドキドキ、手に伝わる海斗の鼓動。

そのあまりの速さに驚く。


「…海斗?」


ねえ、どうしてそんなにドキドキしてるの?



「……ムカつく」

「……えっ?」

「余裕なおまえがムカつく」



余裕なんてどこにもないのに。

いつもドキドキして、モヤモヤして。

頭の中はいつも海斗のことばかりだ。


海斗と一緒にいると、イヤらしいことばかり考えてしまうの。

触れたくて、触れて欲しくて。

海斗をもっと近くで感じたくて冷静でなんていられない。

いつも、いっぱいいっぱいなのに。


静寂の中、ドクドクと波打つ鼓動。

あたしのそれと海斗の鼓動が重なり合っていく。


普段よりずっと速いリズムで刻まれる。



「……ねぇ、海斗」


そっと顔を上げた。


「ドキドキしてるよ?」


あたしの手が、大きく震えるくらい。


< 122 / 479 >

この作品をシェア

pagetop