俺様彼氏はShy Boy?

見えない思い



教室に戻ると、海斗はいなかった。

そして、美佳の姿も見えなかった。


「……海斗が、いない」


あたしの独り言は、未来の耳にしっかりと届いていて。

元気のないあたしの声に、未来の温かい手がそっと伸びてきて。

右肩にそっと置かれた。


「また、サボリかな?」


わざと明るく言ってみても、未来は曖昧に笑うだけで。

たぶん、あたしの不安を感じ取ってるんだと思う。


「電話、してみたら?」


ニコリと笑ってくれる未来に、そうだね。と言ってケータイを取り出してみて。

リダイヤルの一番上にある海斗の名前を見て、ゴクリと喉を鳴らした。

そのくらい緊張していたんだ。



ケータイの向こうで、呼び出し音が鳴るたびにドキドキして落ち着かなかった。

自分でも、何でそんなに不安になってるのかわからなくて。

でも、今は。

海斗の顔を見て、ホッとしたかった。


あの意地悪な笑みでもいい。

人を馬鹿にしたあの笑みでもいい。


まだ続く呼び出し音。

結局、海斗は電話に出ることはなかった。


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