俺様彼氏はShy Boy?
腕を組んで歩いているのなんていつものこと。
学校では常に女の子が周りに集まっているし。
この間の遊園地では元カノだという子と腕を組んでいたし。
今更気にしても仕方ないことだったんだと思った。
あたしが早とちりしただけなんだ。
……って。
結局は、自分にそう言い聞かせてる感が否めなかった。
予鈴が鳴って、あたしを囲っていた友だちたちがそれぞれ自分の席に戻っていく中。
未来だけがあたしの前に立ったままで。
少し怒りを含んだ瞳に見下ろされる。
やっぱりな。と、苦笑するしかなかった。
わかってた。
未来が教室に入ってきたときから、あたしに何か言いたそうな顔をしていたもん。
「何があったの?」
「ん? 何が…?」
「…そんなの、比奈らしくない」
未来の言葉に胸が痛んだ。
だって、今日のあたしは…
自分が苦手だった派手な女の子達みたいだったから。
もともと持ってるものが平凡なあたしだから、どんなに頑張ったって美佳みたいにはなれなくて。
そんなの自分で嫌ってほどわかってたんだ。