俺様彼氏はShy Boy?
「あたしだって女の子だもん。たまにはメイクだってするよ?」
「メイクだけじゃないじゃん」
そう言って、あたしの胸元を指差して。
「海斗くんが見たら、激怒するよ」
「あはは、まっさか~」
こんなの見慣れてる海斗が、あたしを見たってたいしたことないはず。
海斗にとってあたしは、彼女ではあるけれど、女ではないのかもしれないから。
「まさか、でもないと思うけど?」
そう言って、教室の後ろのドアに視線を送る未来。
あたしも同じように振り返ってみると。
そこには気だるそうに顔をしかめた海斗の姿が見えた。
海斗の姿を確認して、思わず笑みがこぼれた。
隣に美佳がいないこともなんだかホッとして肩の力が抜けるのがわかった。
海斗はあたしを見るなり眉間に深いシワを寄せて険しい顔をして。
話しかけてきた友だちを振り払ってから、あたしの方へとズンズン歩いてくる。
そして、バンッとあたしの机に自分のカバンを叩きつけた。
「何それ」
いつの以上に色のない声に、少しだけビクッとする。
「可愛くない?」
そう言って、海斗を見上げて満面の笑みを作った。
だけど海斗は、そんなあたしを無視して溜息を吐いた。
「ケバイ。比奈には似合わねえよ」
そう言って、海斗の手であたしの唇を擦ってグロスを落とす。
「ってか、何で昨日電話に出ないわけ?」
ほら。
思ったとおりだった。