俺様彼氏はShy Boy?


「放して比奈!」

「ヤダよ」

「比奈!!」


未来を放すことなく、何度か深呼吸を繰り返す。

動揺と悲しみと、恐怖、いろんな負の感情があたしの体の中をじわじわと犯していくのを少しでも和らげるために。


「未来……」


口がカラカラで、声が張り付いてよく発せない。

どうにか潤そうと、ゴクリと喉を鳴らしてから。


「……あたしが、自分で聞く」


そう小さな声で呟くのが精一杯だった。


足がガクガクするのは恐怖なのか、緊張なのか。

自分でなんて、そうは言っても、本当は怖くて仕方なかった。

出来ることなら、今のままでいたいと思った。

目を逸らしたままでいいと。

海斗と一緒にいられるなら、このままでもいいと思った。


だけど、このままじゃ何も変わらないって思ってる自分もいた。

あたしのことを思って叫んだ未来に気持ちを考えたら。

逃げ出したらダメなんだって改めて思った。


「ちゃんと、海斗に確かめてみる」



振り返る未来の顔をしっかりと見て。

震える手をギュッと握り締めた。


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