俺様彼氏はShy Boy?
「手、握って何してた?」
怒鳴るわけでもなく、その声は寂しさを感じさせる。
俯いたままだった顔を少しだけ上げて、海斗の顔を前髪の隙間からうかがうようにそっと見ると。
そこには酷く傷ついた海斗がいた。
微かに息が乱れてて。
額から汗が流れているのか見えた。
その表情に、胸がぎゅうっと締め付けられて苦しくなった。
どうしてそんな顔をするの……
ギュッと握ったままの手に、爪が食い込んでいく。
もしかしたら、廊下での騒ぎを誰かから聞いて。
慌てて追いかけてくれたのじゃないかと思うと、胸が苦しくて息が出来なくなる。
「充と二人っきりになるなって言っただろ…」
その声は、弱々しい。
少しずつ近づいてくる気配がして、身体が緊張で強張っていくのがわかった。
固まったままのあたしを、海斗の冷たくて鋭い瞳が見据えていた。
「おい、何か言えよ」
海斗の言葉に何も答えられない。
…と言うより、今ここで声を発してしまったら。
あたしは何を言ってしまうかわからない。
「なんなんだよ。今朝から、おまえ変だぞ」