俺様彼氏はShy Boy?


「手、握って何してた?」


怒鳴るわけでもなく、その声は寂しさを感じさせる。

俯いたままだった顔を少しだけ上げて、海斗の顔を前髪の隙間からうかがうようにそっと見ると。

そこには酷く傷ついた海斗がいた。


微かに息が乱れてて。

額から汗が流れているのか見えた。

その表情に、胸がぎゅうっと締め付けられて苦しくなった。


どうしてそんな顔をするの……

ギュッと握ったままの手に、爪が食い込んでいく。


もしかしたら、廊下での騒ぎを誰かから聞いて。

慌てて追いかけてくれたのじゃないかと思うと、胸が苦しくて息が出来なくなる。


「充と二人っきりになるなって言っただろ…」


その声は、弱々しい。

少しずつ近づいてくる気配がして、身体が緊張で強張っていくのがわかった。

固まったままのあたしを、海斗の冷たくて鋭い瞳が見据えていた。


「おい、何か言えよ」


海斗の言葉に何も答えられない。

…と言うより、今ここで声を発してしまったら。

あたしは何を言ってしまうかわからない。


「なんなんだよ。今朝から、おまえ変だぞ」


< 208 / 479 >

この作品をシェア

pagetop