俺様彼氏はShy Boy?
ゆっくりと瞳を開けると、そこは保健室で。
真っ白なカーテンに、少し感じる消毒の匂い。
真っ白な天井。
真っ白なベッド。
目に入ったのは白衣を着た長身の男性。
少しだけ染められたブラウンの髪は軽く後ろの流すようにセットされていて。
黒縁めがねの奥にある瞳は、呆れたようにあたしを見下ろす。
「教室でぶっ倒れたんだぞ、そんなになるまで気づかないのかよ」
ぶっきらぼうはその物言いに、あたしは彼から視線を逸らした。
「薬飲んでもう少し寝てろ? この仕事終わったら車で送ってやるから」
用意してあったのか、すぐそばに置かれたペットボトルの水と薬を差し出す。
「いいよ、歩いて帰るから」
そう吐き捨てて、薬を奪うあたしにその人は盛大な溜息を吐いた。
「可愛くねえな」
「どうせ、あたしは可愛くないもん」
「まったく…病人は病人らしく甘えとけばいいんだよ」
そう言って、フワリとあたしの髪に触れる。
その瞬間、微かにタバコの匂いがした。
「…誰にでも、そんなに優しいの? 先生…」
「んなわけあるか」
馬鹿か。と軽くデコピンされて。
「薬、ちゃんと飲めよ?」
そう言って優しく笑った先生は、カーテンの向こう側に消えていく。
あたしはその先生の後姿を見つめたまま、ほんの少し笑みがこぼれた。