俺様彼氏はShy Boy?
そこに現れたのが、高藤先生だった。
右手にあたしの鞄を持ってあたしを見下ろすその顔は、蛍光灯の光のせいでその表情はよく覚えていない。
『これおまえのだろ?』
そう言って乱暴に差し出された鞄を受け取ると、先生はそのまま保健室のほうへと歩いていく。
『せ、せんせい…』
どこで見つけたの?
そう聞きたかったのに、先生はあたしをチラリと見るだけで。
そのまま保健室の中に入っていった。
でも、先生を追いかける気力なんて残ってなくて。
あたしは、ゆっくりと立ち上がり。
フラフラする身体を壁にあずけて大きな溜息を吐いた。
パンパンッとスカートのほこりをはたいて。
鞄を持ち直してそのまま帰ろうとした。
だけど、その時。
保健室に入ったと思っていた先生が、手に何かを持って廊下に出てきて。
それをあたしのほうへと投げた。
大きな弧を描いてあたしの方へと飛んでくるそれを、慌てて受け取り。
手の中にあるそれを見てから、先生へと視線を移すと。
そこにはやっぱり優しい顔の先生がいて。
『それ飲んで帰れ』
先生が投げたのは、あたしの好きなオレンジジュース。